脳波で回るNEURO TURNTABLEのケースの作り方

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オリジナルなケースが欲しい!でも時間がない!って時ありますよね。ちょっと昔なのですが、NEURO TURNTABLEのケース制作もそんな感じでした。Qosmo社でした仕事なのですが、NEURO TURNTABLEでは、ケースをレーザーカッターで作ることで、手っ取り早く、かつクオリティの高いものが出来ました。

NEURO TURNTABLE とは?



NEURO TURNTABLEは脳波をセンシングして面白いことをする、neuro wearのプロダクトの一つです。どんなものか公式サイトから引用します。

「NEURO TURNTABLE」は、ユーザの脳波を計測し、音楽に集中している時にだけ音楽を再生するという、まったく新しいコンセプトのミュージックプレイヤーです。音楽に集中すると音楽が再生され、話しかけられたり、別のことを考えたりすると音楽は止まってしまいます。
http://neurowear.com/projects_detail/neuro_turntable.html

システム的には、脳波のセンシングを専用のヘッドセットで行うと、コンピュータに信号が送られて集中・非集中かを判定し、MIDI制御が可能なターンテーブルの回転数の制御を行うという流れになっています。

ケース作り

ターンテーブル自体は市販品で、ケースがないとNEURO TURNTABLEなのかが分からなくなってしまう、ということで、ケース作りを担当しました。1週間しか時間が無く、工作スキルもあまり優れてはいないので、レーザーカッターを使うことにしました。

構造

ケースの構造としては、展示の時に使うのみの覆いということで、側板を立てて天板を載せるだけのシンプル構造にしています。時間も無かったですしね。

天板

天板が肝になるので、天板を設計するためにサイズを測りました。まず、使用するターンテーブルの説明書をダウンロードして縦と横の大きさを調べました。次にターンテーブルの出っ張っている部分の位置を測って天板の図面に写していきます。カット用の図面はInkscapeで作りました。Illustrator持っていて慣れているひとはそちらでいいと思います。
Draw Freely. | Inkscape

一度出来上がったので、早速レーザーカットしてみたところ大きくズレていて失敗でした。原因は取扱説明書に書かれたサイズが間違っていたことでした。測るの大事です。
測りなおしてもう一回というところなのですが、次はいきなりカットせず、一度図面を紙に出力してチェックしてみました。こういうの大事ですね。そんなこんなで、最終的な図面が出来上がり、カットしにいって完成しました。
これはその時のノート。
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天板に刻まれた文字とロゴは、デザイン担当の方が作ってくれたデータを貰い、カットではなく彫刻という形でInkscapeの図面に入れました。そうするとレーザーカッターでいっぺんにカットと彫刻してくれるんですね。楽ちんです。

側板

木材自体をハンズで買いまして、その時にカットしてもらいました。直線カットだけならハンズやホームセンターで出来るので、うまく使い分けるとよいです。

材料

ハンズで手に入る材料から焼桐の濃いブラウンを選んだのですが、これが大正解。レーザーカッターだと焼くとその部分が目立ち、いかにもレーザーカッターで作りましたなものになりがちなのですが、焼桐だと焼いても元とほとんど変わらず、全然目立ちません。
これとかですね。
焼桐集成材ニス仕上げ 900×300×18|【東急ハンズネットストア】

まとめ

レーザーカッターでものを作るのは、手先が不器用でもプロの品質とまではいかずとも、ちゃんと出来ているモノ感が出せるレベルになるので、すごく実用的かつ楽しいです。また、図面を一度実物大に印刷して確かめてからカットするとよいという教訓も得られました。NEURO TURNTABLE以降も何回かレーザーカットしてきたのですが、ちゃんと先に印刷して確かめるようになりました。
また、設計が甘くて、細くなっている部分に力がかかって壊れてしまったのですが、図面が残っているとレーザーカッターに板をセットしたらすぐに作り直しが出来て、デジタルファブリケーションのメリットを感じました。本来設計も直すべきなんですが、とりあえずの応急処置としてこういうことが出来るわけですね。