oscpyの使い方

GitHub - kivy/oscpy: An efficient OSC implementation compatible with python2.7 and 3.5+
Python2.7でもちゃんと使えてまだコードが読めるレベルのOSCライブラリを探したら、記事執筆時点ではoscpyぐらい。ただ、githubのREADMEが間違ってたので、使い方のサンプル載せときます。大変簡単です。*1

from oscpy.server import OSCThreadServer
from oscpy.client import OSCClient

try:
    print('Starting osc server...')
    osc_server = OSCThreadServer()
    osc_client = OSCClient('localhost', 10000)
    sock = osc_server.listen(port=8000, default=True)
    
    @osc_server.address(b'/m')
    def callback(*values):
    	print(values)
    	osc_client.send_message(b'/m', [0, 200, "Hello World"])

    while True:
        pass

finally:
    osc_server.stop(sock)

*1:もったいないので後でプルリク送るかも

『Rotary Objects』

はじめに

カメラ付きの携帯電話が普及しきった今、出先でなにかが起きた時、写真を撮るのは当たり前の行為となりました。その結果、人々は2つの目を持ったといえます。自分自身の目と機械の目です。普段は機械側が人間の目による見た目に近づけているため、その違いに気づきにくいのですが、シチュエーションによってその違いが出てくることがあります。例えば、日が傾き薄暗くなってきた頃にスマートフォンやデジカメで写真を撮ろうとすると、画面上では自分の目で見るよりも明るい状態の被写体が見えることがあります。機械側の方が人間よりも高感度なセンサを持っているために起きる現象です。

このような人間の目と機械の違いから生じる現象の中に、ローリングシャッター現象と呼ばれているものがあります。今回、僕はこの現象を利用したメディアアート作品『Rotary Objects』の制作に参加*1し、中国の上海にある高層ビルである上海環球金融中心*2で行われた中国Hondaスポンサードの現代美術展覧会『混合HYBRID』にて展示*3を行いました。この記事では本作品の紹介とローリングシャッター現象の解説をします。

作品

『Rotary Objects』はローリングシャッター現象を利用した作品です。高速で回転することで、人間の目と機械の目に対して異なった見え方をもたらします。


展示の様子

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ローリングシャッター現象

 この現象は高速で移動する物体を撮ると、被写体が歪んだイメージが出力される現象です。飛行機のプロペラはこの現象がわかりやすく出る代表例と言えます。また、より身近な例だと電車で車窓を撮影すると線路の横にある電信柱が歪む、などもローリングシャッター現象です。

Airplane Prop + CMOS Rolling Shutter = WTFwww.flickr.com
Soren Ragsdale CC By 2.0

 ローリングシャッター現象の原因は、現在デジタルカメラに広く使われるCMOSセンサの特性にあります。CMOSセンサはセンサの画素を時間差がある状態で走査するため、画面全体として同時に光を取得することが出来ません。そのため、高速で動く被写体は現実とは異なる形で記録されるのです。下のアニメーションは、CMOSセンサで回転する物体を撮影した時に、どのように写真が出来ていくかを示したものです。

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cmglee CC By 3.0

 より詳しくは下記リンク等を見てください。
CMOSセンサーについて| 技術情報 | サポート | HDV | 映像制作機材 | プロフェッショナル/業務用製品情報 | ソニー

反応など

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 台の上に「携帯のカメラで見てみてください」というキャプションを置いていました。そのキャプションを見てスマートフォンをかざし、「おお!」という人もいれば、そのキャプションに気づかずにただ写真を撮ろうとした時に現れた時に小さく叫んで驚く人もいるという会場の雰囲気でした。原理的にカメラの位置、センサの向きで見え方が変わるため、複数人で体験するとそれぞれのスマートフォンを見比べる楽しみもあるようで、色々試して盛り上がっているグループも多く見受けられました。
http://weibo.com/2141100877/DaQPHBwH0?type=comment#_rnd1461577916488
 SNS上の反応では、ウェイポー上でいくつか投稿されていて、結構反応されてるようです。中国語が全然わからないので、コメントがたくさんついてることくらいしかわからないのが残念です。Google翻訳かけようとしても出来ないので……。

ミニ&改善バージョン

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Rotary Objects Mini

 本作品はビデオで見るとCMOSの目を通してしまい体験出来ない構造的問題があります。そこで、弊社(アートアンドプログラム株式会社)で展示するためのミニバージョンを作りました。弊社にお越しの際は、ぜひ自分自身の目で体験してみてください。このバージョンでは回転制御を追加したため、安定した見え方になりました。また、異なる回転体を置くことも出来ます。

はじめにの前に

 この記事を書き始めたのが2016年の1月で、それから現在(2018年8月)まで塩漬けにしておりました……。というのも作品のミニ&改良バージョンを作ってたら2年半経っていた、という次第です。

*1:ISHII 2BIT + Friends名義

*2:森ビルの建物で上海のヒルズのようなところ。上海で現在2番目に高いビル

*3:2015/12/24-2016/1/5

天井への金具設置メモ

会社に屋内測位システムQuuppa*1を導入した。Quuppaは電波を発信するロケーターを天井に取り付ける必要があり、そのための工事をした。この記事は、天井への機械の吊り下げを行うための金具を設置するためのメモである。

設置後の様子

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天井に設置した機械と金具

石膏ボードと思われる天井に、凸型の金具(凸部と両サイドに穴があるもの)をボードアンカーで留め、その金具と機械の金具をボルトで留めている。

天井の状況

www.diy-shop.jp

弊社の天井は、通常の石膏ボードと思われるものであった。構造的には上記記事の画像の通りになっていた。桟の部分には木ネジで行けるが、それ以外の中空部分ではボードアンカーを使う必要がある。今回、位置測位システムだったので、部屋の中央に置きたく、そこは中空だったのでボードアンカーを利用した。

ボードアンカー

記事にある通り、ボードアンカーは複数種類あるが、ネジを利用する物とボルトを利用する物に分けられ、今回はボルトのものを利用した。ネジを利用する方がより手順が少なく、下穴が小さいもしくは不要であるが、今回は取り付けた金具を交換する可能性も考えてボルト式を選択した。

ボルト式は2種類あり、プラッティプラグとモリーアンカーのどちらも使ってみた。主なボードアンカーの紹介をしているカインズの動画を置いておく。
www.youtube.com

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プラッティプラグとモリーアンカー

プラッティプラグ

モリーアンカーよりも大きな下穴が必要だが、板厚はかなり幅広く対応出来る。単純な構造をしているため、手順が分かりやすい。それもあってか今回はモリーアンカーよりもきれいに仕上がった。値段が高め。

モリーアンカー(中空用アンカー)

ボルト式では最もポピュラーの模様。構造上板厚に合わせたサイズのものを買う必要がある。構造が少し分かりづらく、結果として天井を少し傷付けることになってしまった。

オススメのアンカー

値段の差はかなりあるとはいえ、プラッティプラグの方が勧められる。

設置した金具

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1つの金具に2つのアンカーを打っている

余談:設営・工事に便利なレーザー装置類

今回は位置測位をする関係上、ある程度正確にロケーターを設置する必要があり、レーザー距離計(BOSCH GLM50C)とレーザー墨出し器(BOSCH QUIGO PLUS)を使って作業した。

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レーザー距離計とレーザー墨出し器

レーザー距離計は設置前の位置決め、設置後の計測に大変約に立った。今回利用したこちらの機種は角度の測定もでき、水平かどうかを常に確認出来る&単体で三角測量が出来てとても便利だった。計測モードも豊富かつ操作が簡単でとても良かった。

レーザー墨出し器はロケーター設置後のLANケーブル設置で美しく配線するのに役に立った。また、設置後に4方向からのロケーターの計測が必要となり、その際の基準としても大変便利だった。ただ、今回の用途ではQUIGO PLUSは力不足で、天井まできちんと打てる機種がある方が良い。

*1:位置精度は0.5m、速度は100Hz。2.4GHz帯の電波を利用。BLEにも対応可能でスマートフォンにも導入出来る